こんにちは!並木です。
本日は退職交渉を始めた所、上司からクビを宣告された男性の話をご紹介します。
転職時にはみんなが通る道ですが、トラブルがとっても多いフェーズです。。参考にしてみて下さい!
実際に私が支援した求職者の実体験です。
今後、転職をお考えの方などのご参考になれば幸いです。
退職を申し入れたらクビになった・・
高橋省吾さん(仮名)は中小企業である金型メーカーで営業として勤める28歳の男性です。
普段の業務を真面目に取り組みながら、新卒で入社して6年が経過して仕事にも慣れてきたのにも関わらず、年収が330万円程度と業界の中でも低水準だったことを理由に転職を決意されました。
仕事の合間にコツコツと転職活動を行い、無事に別業界の金属加工メーカーで内定を獲得。
1か月後の入社日に向けて、退職交渉を開始した時事件は起きました。
伝えた要点は下記の通り。
- 1か月後を退職日としたい
- 引継ぎ業務はしっかりと行う
- 有休休暇を10日間取りたい
しかし、それに対する反応は厳しいものでした。
「退職したいだと!?それならもう明日から来なくていい!!」
直属の上司であった営業部長(役員)からこのように怒鳴りつけられてしまったのです。
営業部長の言い分はこうでした。
・任せた仕事を途中で放り出す人間は信用ならない。
・担当顧客の情報を次の会社に持って行かせたくないので引継ぎさせない。
・クビになったとなれば転職にも影響があるはず。解雇が嫌なら残れ。
あまりの剣幕に驚いてしまってその場を後にした高橋さん。
「前職をクビになってしまったら内定をもらっている会社はなんと言うか・・しかも、金銭的な余裕もないので1か月とはいえ給料がないのも困ります」と私に相談して下さりました。
そこに対し、彼に伝えたアドバイスはたった2つ。
- 解雇になってもその理由と理不尽さは私(エージェント)から説明する
- 解雇になれば1か月分の給与は保証される
詳しい説明を聞いた彼は翌日、自身満々に会社から言い渡されたクビ宣告を承諾するに至りました。
そして結果的に、1か月間の夏休みとその間の給与(正確には手当)確保を実現したのです。
喜んで解雇を受け入れられた理由とは
希望に満ちた転職を前に、突如突きつけられた現職解雇の災難。
そんな中、高橋さんはなぜこころよく解雇通知を受け入れられたのでしょうか?
その理由についてご説明させていただきます。
解雇になっても次の会社の心象は悪くない?
「前職を解雇になった人材」。そんなレッテルが貼られてしまうと社会人としてのキャリアに傷がついてしまうと多くの方が心配に思うはずです。
しかし、実際はあまり大きな問題ではありません。
この令和の時代にもパワハラじみた理不尽を貫く会社が存在している事をほとんどの会社の人事が把握していますし、高橋さんの場合はエージェントを利用していることが何より安心できる理由になりました。
エージェント利用最大のメリットは内定先(選考先)とのコミュニケーションが容易になる事です。
高橋さんのケースでも、現職の理不尽な対応を先方は理解して下さり、彼の精神面のフォローまで買って出て下さる程でした。
エージェントを利用している方は、不測の事態に陥った際、まずは担当のエージェントへ相談する事をおすすめします。
即日解雇になっても1か月分の給与は保証される?
はい。されます。
ただし、注意が必要なポイントが何点かあります。
注意点①:給与ではなく解雇予告手当
給与ではなく解雇予告手当という名目のもので、【平均賃金(※2)の最大30日分(※1)】と定められています。
※1予告期間によって計算日数は変わります。
~例~
予告期間が10日の場合、30日から10日引いた20日分になる。
※2平均賃金の計算方法
平均賃金=過去3ヶ月分の給与÷その3ヶ月の日数
注意点②:解雇を言い渡した企業に請求しなければならない
きっちりと解雇予告手当をもらう意思を示したうえで解雇を受け入れましょう。
この制度(法律)を知らないままで、何の保証も受けずに解雇されてしまった求職者も過去いらっしゃいました。
うやむやにならないよう、解雇を受け入れる前の意思表明が必要です。
注意点③:支給日について確認する
厚生労働省のガイドラインによると、「解雇の申し渡しと同時に支給されるべき」と記載されています。しかし、一般的には給与日に同時支給になるケースが多いようです。
しっかりと確認するようにしましょう。
高橋さんのその後
退職交渉後に即日解雇を言い渡され一時は大変落ち込んだ高橋さん。その後転職先の企業との連携を密に取りながら入社日を迎え、無事転職を成功させられました。
後日伺ったのですが、解雇受入時にはなんと有休休暇の買取りまで請求し、なんと全額支払われたとの事。
解雇となった会社から有休休暇買取りの対応をしてもらえるケースは多くありませんが、どうやら営業部長の独断で即日解雇通知をしてしまった負い目が前職企業にはあったようです。
「6年間も安い給料で働いていたのにこの仕打ち。最後は労基でもなんでも駆け込んでやろうと思っていました」と清々しい笑顔で語る高橋さん。
「エージェントさんから先方に説明して下さる。というのが一番安心できました。休みができたおかげで、人生2回目の夏休みに夢だったバイクでの北海道1周旅行もできましたよ!」
現在は忙しいながらも充実した毎日を過ごされているようです。
さいごに
高橋さんのケース。いかがだったでしょうか?
今回の彼は退職交渉をきっかけに事態を好転させられましたが、トラブルの内容によっては困り果ててしまったと思います。
だからこそ、退職交渉は正確な情報と知識で進めていかなければいけませんね。
転職は人生の大きな転機。十人十色の様々なドラマがあります。
「私はこんなケースで困っている」という悩みがあればお知らせ下さい。
微力ながらお力になれれば嬉しく思います。
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